動物カフェのスペシャリストに聞きました

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かねこ ひさみつ▶東京都出身。巳年生まれ。大学卒業後、会社員としてNTTに勤務。その後、独立して、かねてより身近に感じていたヘビをモチーフにしたグッズの企画・制作を始める。事業を展開していく中で、ヘビや動物に関わるネットワークが増えていき、やがてヘビカフェを始めたいと考えるようになる。2015年8月、日本で初めてのヘビ専門の動物カフェとして「東京スネークセンター」をオープンさせ、2019年6月現在で述べ50,000人のお客様が来場。テレビやラジオなどのメディアからも、注目を集めている。

目の前でヘビを観察するとイメージが変わる!?
エンターテインメントを超えた学びの場にしたい

先入観なしにヘビの魅力を知ってほしい

 ヘビカフェを始める前から、色んな人にヘビの魅力を知ってほしいという想いがありました。ヘビは「気持ち悪い」「怖い」「凶暴」などの先入観を持たれていることが多いですが、実際に観察してみると大人しいということがわかります。本当は静かで臆病な動物なのです。こういうことを知ってもらって、より多くの人にヘビや動物に興味を持ってもらうきっかけになればいいなと考えています。群馬県に「ジャパンスネークセンター」というヘビ専門の動物園があるのですが、ヘビ好きならほぼ知っている、ヘビ好きのご本山のような場所です。とはいえ、一般の方からは、ほとんど知られることのない寂れた施設です。そこで、「ジャパンスネークセンター」の拠点を東京に作り、集客の手助けができたらいいなと考えたことがヘビカフェ誕生のきっかけの一つです。店名もご本山から借りて、「東京スネークセンター」として、当時ブームだった動物カフェのカフェ機能も持たせたというわけです。

動物カフェは女性と外国人が多い

 ヘビカフェに来るお客様は、若い女性が多いです。10代から30代の女性が7割くらい。ヘビカフェに限らず、動物カフェのお客様は女性が中心です。あとは、外国人が3割から5割くらい。ヘビカフェをプレオープンをしたとき、外国人が多いことに初めて気が付きました。動物カフェは、日本独特のサービスで、外国の方から見ると珍しいそうです。ですから、動物カフェをしたいなら、外国語ができると大きな武器になります。

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動物カフェを運営する上で重要なこと

 動物カフェは、サービス業ですからお客様に丁寧に接するというのはもちろんですが、唯一他のカフェと違うのは、動物がいるということです。何があっても、やっぱり動物が一番なのです。動物が危険にさらされることがあれば、お客様であっても注意します。また、衛生管理にはものすごく気をつけています。病気などは、同じ種の動物に感染しやすいのですが、動物カフェでは同じ種の動物をたくさん飼います。ですから、病気が蔓延することが絶対ないように、すごく気を使っています。たとえば、ヘビを入れているケースは1匹のヘビ専用で、他のヘビは絶対に入れません。また、毎日フロア内のケージをアルコールで消毒して、清潔に保っています。

ヘビカフェの運営が環境保護にもつながる

 この店の特徴は、お客様の目の前にヘビが入ったケースを持っていけることです。透明のケースを使うことで、観察しやすくしています。また、希望があれば実際にヘビに触れていただくこともできます。でも、この店は、エンターテインメントの場ではなく、ヘビを観察して学ぶ場であってほしいと考えています。ヘビについて正確な知識を得ることで、むやみに動物を傷つけたり、動物が住む生態系を破壊したりする人を一人でも減らし、自然環境を保護することにも繋がっていけばいいなと考えています。

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動物業界の仕事をめざす高校生へのメッセージ

動物の魅力をお客様に届けることも大切な仕事
動物業界で働くには、動物が好きなのは当たり前ですが、お客様とコミュニケーションをとって、その想いを届けることも重要です。ですから、自分が動物のどこが好きで、何をどう伝えるかということを常に考えて準備しておくことが大切になります。

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