ゲーム業界のスペシャリストに聞きました

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くまちょむ▶1981年愛知県出身。パズルゲーム「ぷよぷよ」シリーズにおいて国内屈指の腕前を持ち、2018年の「ぷよぷよチャンピオンシップ」をはじめ数々のゲーム大会で優勝経験あり。通称「レジェンド・カリスマ」。現在は㈱ファイズマンクリエイティブに所属し、テレビ・ネット番組に出演する他、「N高等学校」のeスポーツ部で特別コーチも務める。

勝つための道筋を確立した瞬間は、大会で勝った時より嬉しいです

「ゲームが好き」をずっと続けてきた結果

―正式に「プロゲーマー」となられたのはいつからですか?

2018年の春に「ぷよぷよ」のプロライセンスが発行されたので、正式な仕事としてのゲーマーになったのは去年からです。それまではゲームとは別の本業もしていました。
 ただ、僕の場合は元々ゲーマーをめざしていたわけではなくて、ただゲームが好きで、それを20年以上続けていた結果の今だと思っています。

―優勝賞金を含めた収入面などは?

 手にした賞金は一番多い額で100万円です。あとは僕の場合、テレビなどのメディアへの出演料と、本やネットに書いた記事の原稿料などが主な収入源です。

対戦と研究の日々
体調管理も欠かさない

―ゲーム大会に出場している以外の日は、どうされていますか?

 ゲームをする時間は、普段は一日1〜2時間くらい、大会が近い時は3時間くらいです。いろんな人とオンライン対戦をして、それを録画して見直し、よりいいプレイをするにはどうすべきかを寝る前に考えます。次の日には考えを紙にまとめたり、映像を見返したりして、テクニックの研究を重ねます。
 ですがゲームの時間が多すぎると、体調が乱れ思い通りのパフォーマンスができなくなるので、なるべく毎日7時間は寝るようにしています。外に出て散歩なども意識的にしています。

時間もお金も限られた最高の上達環境

―どんな学生でしたか?

 中学の頃「ぷよぷよ」の対戦会が毎週土曜日に地元のゲームセンターであって、そこにひたすら通っていました。使えるお金は300円以内と決められていましたが、それが逆によかったと思います。時間もお金も限られているというのは、上達するためには最高の環境なんです。失敗できないから、絶対勝つための戦法を必死に考えるので。

―子どもの頃は、ゲームをやり込むことは大変だったのでは?

 中学の頃「ぷよぷよ」の対戦会が毎週土曜日に地元のゲームセンターであって、そこにひたすら通っていました。使えるお金は300円以内と決められていましたが、それが逆によかったと思います。時間もお金も限られているというのは、上達するためには最高の環境なんです。失敗できないから、絶対勝つための戦法を必死に考えるので。

一番嬉しい時は、本番の前に

―プロゲーマーとして、くまちょむさんが一番嬉しいと感じることは何ですか?

 研究や思考錯誤を重ねて、勝つための道筋やよりよい戦法を確立した瞬間は、実際に大会で勝った時よりもずっと嬉しいです。もちろん相手に負けて悔しい時もありますが、勝っても負けても感情にプレイが影響されないよう自分を維持し、日頃練習してきたことを本番で出し切るよう心がけています。

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eスポーツ業界をめざす高校生へのメッセージ

探究心を持って、いろいろな経験をしてください
ゲームに限りませんが、好きなことでも探究心がないと、ある程度のところで「これでいいや」となってしまい先に進みません。より鮮やかに勝つための技術を研究するなど、常に探究心、こだわりを持ってください。あとはいろいろな経験をしておいた方がいいと思います。それらがゲームの上達に結びつくこともありますし、逆にゲームでの経験が日常で役立つこともあります。

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