災害対策、東京オリンピック、景気回復で建設従事者の需要高まる
どんな仕事?
高度な知識と柔軟な発想で建造物を創りあげる芸術家
建築士は「建築士法」で定められた国家資格で、建築物を設計、工事監理を行うほか、契約に関する事務や工事の指導監督などを行います。種類は一級建築士、二級建築士、木造建築士の3種があり、それぞれ扱える建築物の規模などが異なります。
木造建築士は300平方メートル以下の木造建築物を扱うことができます。二級建築士も規模など制限はありますが、木造、鉄筋コンクリート造、鉄骨造の設計が可能です。一方、一級建築士はすべての建築物の設計・工事監理を行うことができ、学校や病院などの公共施設は一級建築士のみ扱うことができます。また、2008年に設置された構造設計一級建築士と設備設計一級建築士は、一級建築士として5年以上の経験が必要で、より高度な専門能力を必要とする設計に携わることが義務付けられています。
建築士は、建物の使用目的や予算に合わせて法に基づいた設計をします。加えて、依頼主の希望を引き出すコミュニケーション力や柔軟な発想、美的センスなどが求められ、安全で快適な建築物を創りだす、芸術家のような職業といえます。
活躍の分野は?
都市開発やリフォーム市場拡大で高度な技術に期待
建築士は、一般住宅や高層建築物などを手がける一方、新空港の建設など、国家や地方のプロジェクトにも参画します。
建設会社、建築設計事務所、不動産会社、ハウスメーカー、建築リフォーム会社などで業務を行いますが、独立・開業して活躍する建築士も大勢います。
建設業界では、東日本大震災の復興工事や公共施設の耐震工事などに加え、2020年の東京五輪に向けたインフラ整備や都市開発も始まっています。
また住宅業界では、国土交通省が中古住宅の流通とリフォームの市場規模を、2020年に現在の2倍に拡大させる「中古住宅・リフォームトータルプラン」を掲げたこともあり、リフォーム市場が拡大しています。断熱材による省エネ対策や耐震補強工事はもちろん、防火性の高い建材で災害時の火災を防ぎ、被害を最小限に抑えようとする動きも各地で始まっています。一方で、太陽光発電システムや蓄電池などを統合監理するHEMS(家庭内エネルギー管理システム)とITとの活用でエネルギーを賢く使う「スマートハウス」も注目。今後ますます高い知識とアイディアを持った建築士の活躍が期待されます。
関連学科
建築学科、建設工学科、都市工学科、建築整備学科、インテリアデザイン科 など
関連資格
建築士、木造建築士、建築施工管理技士、CAD利用技術者試験、福祉住環境コーディネーター etc
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